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潮目とは?
釣れる理由と攻め方を解説

潮目とは?釣れる理由と攻め方を解説

潮目とは

潮目とは海面に現れる海水の境目のことを指し、「しおめ」と読む。流速や水温、塩分濃度などの異なる潮の流れがぶつかる場所で、「海面上に細長く伸びた筋が見えるところ」という意味がある。ぶつかり合う潮の色が異なっていることが多く、海藻や木片、泡などが寄り、波立って見えることもある。


すべての海はつながっており、海水はすべて同じ性質のものと考えてしまいがちだが、それぞれの場所や環境の変化によって、性質の異なる水の塊が発生し、混在している。この水の塊同士がぶつかり合うことがあるのだが、その2つは瞬時に混じり合うことはないため、しばらくはその境界が保たれた状態が継続する。これが、潮目が発生する原因であり、このような水の塊同士の境界部分で、なおかつ海面の部分のことを潮目と呼ぶ。


似たような状況を表す「潮境(しおざかい)」には、異なった性質の水塊の境界のことという意味がある。こちらは水の塊同士がぶつかり合う状況を全体的(立体的)に表現するときに用いられることが多い。例えば日本の沖を流れる黒潮と親潮は代表的な水塊と言えるが、この2つの水塊がぶつかることで知られているのが三陸沖だ。三陸沖全体ととらえた場合、黒潮と親潮の境界があるため潮境と呼ぶが、この潮境によく見られる海面の境界が潮目である。端的に言うと、表層で目視できる潮境のことが潮目で、全体を表すのか海面を表すのかで使い分けられることが多い。


潮目について注意したいのは、その下の海中部分にも垂直方向に境が存在しているわけではないということ。蛇行したり、斜めになっていたり、複雑に変化する。ただ、目に見える海面の潮目だけでなく、海中にも潮の境目が存在しており、それをイメージしながら釣りをすることも重要なので覚えておこう。

潮目はさまざまな場所で発生する。その規模や性質はさまざまだが、釣りでは外せないポイントと言える
潮目はさまざまな場所で発生する。その規模や性質はさまざまだが、釣りでは外せないポイントと言える

潮目はさまざまな場所で発生する。その規模や性質はさまざまだが、釣りでは外せないポイントと言える

潮目でよく釣れる理由

魚の活性が高まりやすいから釣れる

潮目付近では流れがぶつかり、波立つことは前述の通りだが、それによって海中に空気が取り込まれやすくなり、周辺よりも海中の酸素濃度が上がる。水の中の酸素量が少ないというのは、人間に置き換えると高い山の上にいるような酸素が薄いのと同じ状態で、魚の活性は下がってしまう。潮目付近は酸素の濃度が高いので魚にとっては動きやすい快適な環境で、活性が上がりやすいのも釣れる理由のひとつになっている。
海峡部にできた潮目。流れが複雑に絡み合い、波立つことで多くの酸素が海中に取り込まれる
海峡部にできた潮目。流れが複雑に絡み合い、波立つことで多くの酸素が海中に取り込まれる

エサが豊富だから釣れる

潮目の下、潮の境では水塊同士がぶつかることで流れの変化が生じる。強いほうの流れに引かれて本来の流れとは逆方向に流れたり、ぶつかるところで湧き上がる、潜るなど、渦を巻くような流れが発生する。すると、潮目に泡や海藻などが集められるように、遊泳力の弱いプランクトンも寄せられて潮目付近に留まることから、それらを捕食するアジやイワシなどの小魚、さらにそのベイト(エサとなる小魚)を追って大型の青物などが集まりやすくなることから、潮目周辺では魚が釣れやすくなる。
潮目付近には多くのプランクトン、小魚が集まってくる
潮目付近には多くのプランクトン、小魚が集まってくる
潮目付近には多くのプランクトン、小魚が集まってくる

捕食場所になっているから釣れる

エサが豊富で回遊する魚が多いことに加えて、潮目付近が格好の捕食場所であることもよく釣れる理由のひとつ。青物やイカなどのフィッシュイーターは、逃げ場のない海面などに魚を追い込んで捕食するが、性質の違う水塊がぶつかり合うことで潮目の下にはその流れるスピードの違いによって大きな水の壁ができることも多い。遊泳力に乏しいベイトは速い流れには入っていけないので立ち往生してしまうが、その流れの壁にエサを追い込むことで確実に捕食することができる。潮目付近では捕食するための場所、チャンスが増えることから活性が高まりやすく、釣りやすくなるとも言われている。
潮目付近では本流とは逆に渦を巻くような流れが発生しやすい(反転流)。この流れに小魚などが溜まりやすく、格好の捕食場所となっている
潮目付近では本流とは逆に渦を巻くような流れが発生しやすい(反転流)。この流れに小魚などが溜まりやすく、格好の捕食場所となっている
潮目付近の魚は活性が高く、魚食魚のボイル(捕食)が確認できることもある
潮目付近の魚は活性が高く、魚食魚のボイル(捕食)が確認できることもある

潮目の攻め方

1.潮目に届く場所から、届くルアーで狙う

潮目が発生する場所は地形や流れによって変化する。足元近くのこともあれば、はるか沖合というケースもある。移動できる状況であれば可能な限り近づいて、そこまでの飛距離を確保できるルアーで狙ってみよう。周辺に活性が高い魚が回遊している可能性が高く、届きさえすればヒットの確率は高まる。ただ、ナブラ(魚食魚に追われた小魚が海面に飛び出て逃げ惑う状況)を攻めるときと同じで、重いルアーで直撃してしまうと、大きな着水音で大型魚の群れが警戒したり、散ってしまう恐れがある。沖側など周辺にキャストして潮目の中や際をいろんな角度で引いてくるようにしよう。

潮目の攻略では飛距離に優れるメタルジグやメタルバイブの出番は多い
潮目の攻略では飛距離に優れるメタルジグやメタルバイブの出番は多い

2.まずは表層から効率よく探る

潮目付近にはエサが豊富で捕食目的の活性の高い青物などが回遊している可能性は高い。とくに朝夕のマズメなどはエサを追い詰めて表層付近にいることが多く、そのような魚ほど釣りやすい状態にあるため、表層付近から攻めるのがセオリーだ。基本的にはタダ巻きでOK。メタルジグならジャークなどのアクションを入れてもよい。ポイントまで届くのであればリップ付きのミノーがおすすめ。振動が手元に伝わり、リトリーブ中の負荷が変わることで、潮が変化している場所が把握しやすい。表層付近で反応が渋いようなら、下のレンジを探ったり、ルアーを変えて反応をうかがおう。

潮目付近ではナブラも出やすい。ナブラが出れば高確率でヒットする

潮目付近ではナブラも出やすい。ナブラが出れば高確率でヒットする

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