2024/02/07
コラム
剣崎松輪港出船のカワハギ。冬のカワハギを〝縦〟で愉しむ。
縦の釣りの作法
実はシンプルな方法論
剣崎松輪港にて毘沙門~城ケ島沖の20~40mを狙ったこの日、鈴木孝さんと佐々木健仁(たつひと)さんはカワハギ釣りの基本であり根周りや深場に効く〝縦(たて)〟の釣りのみで釣ることにした。
縦の釣りを簡単にいえば、仕掛けを立てて釣ること。2人はキャストせず、ほぼ真下に仕掛けを下ろし、オモリで海底の起伏や底質を探り、カワハギのタナをリサーチする。
動作は簡単。オモリを海底に着けたら離して、竿を持ち上げ、止めて、ゆっくり下ろしながら、どこでアタリがくるか探る。
このとき、穂先を小さく、ときに大きく、遅く、ときに早く揺すりながら、どの速度で誘うとエサを取られるのか、あるいは取られないのか探る。この段階が、スナイパー釣法で言う「パイロット」だ。
カワハギのサワリやアタリはかすかな抵抗感だったり、穂先が震えるだけだったり、非常に小さいことが多い。そのシグナルを捉えるのが竿の役目。この日、鈴木さんはステファーノSS MH175、佐々木さんはステファーノSS M180を使っているのだが、前者(MH)は手感と目感、後者(M)は目感度重視の穂先。
佐々木さんはしなやかな穂先をフワフワと動かし、底上1.5mから広い幅で誘い下げて喰わせていく。
一方、底から1mを誘って数を重ねる鈴木さんは「間(ま)」さえ合えば掛かると言う。
ここで言う「間」とはカワハギがエサをついばみ始めてからハリを口にするまでのタイミング(時間)。
間が合っていないときの対応はシンプル。竿と誘いは変えず、ハリス長だけを変える。エサが取られて掛からないのであれば短く、逆なら長くする。
まるでレースカーが路面に合わせてタイヤを交換するように、鈴木さん、佐々木さんともにハリスを換えてすぐにベストセッティングを出す。とはいえ、ハリスの長さは2種類のみ。スナイパー釣法の名手2人の縦の釣りの方法論は、実はシンプルなのだ。
だがそれは確実なエサ付けと的確な動作とサワリを逃さぬ感度のタックルがあってこそ。簡潔ながら簡単には真似できないところが、カワハギ釣りの奥深さであり、愉しさである。
【間(ま)とは?】
カワハギがエサをついばみ始めてからハリを口にするまでの時間。
ハリスの長さは「間」の長さ。
目安は、活性高い=短く、活性低い=長く。
【リリースの作法】
タックルの作法
目感度か手感度か、両方か。カワハギ釣りは竿で楽しくなる。
【ステファーノSS MH175】
縦の釣りは硬い竿が良いイメージがありますが、佐々木くんのように軟らかい穂先のステファーノSS M180を使って目感度で宙を釣っていくのも楽しいもの。私が使ったMH175は目感、手感のバランスが取れたモデルで今日の喰いにも最適。冬の深場はHH170で手感を存分に楽しみたいですね。最も目感度に振ったS180も含め、ステファーノSSは目感、手感を備えた、カワハギ釣りがさらに楽しくなる4本のラインナップです。(鈴木孝)
【ステファーノSS HH170】
途中、最も硬いステファーノSS HH170も使用。
【ステファーノSS M180】
佐々木さんはステファーノSS M180で縦の釣りを満喫。
食の作法
カワハギの薄造り
~透き通る白身に甘み広がる~
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