ハードブル 8+

釣果に直結するラインの選択【ハードブル8+】

ルアーフィッシングにおいてラインに求められるものは多岐にわたります。

大物とのファイトでも切れない強度、魚が居るであろうストラクチャ付近へ安心して送り込める耐摩耗性、トラブル回避性能、そして気持ちが昂ぶるキャストフィール。これらの高い要求に応えるため、HARDBULL8+の開発は始まりました。

ラボでの長きにわたる素材検証、そして釣り場というフィールドでのテスト釣行を幾度も重ねながら、インストラクターの叡智、シマノが持つ技術を現場で練り上げていきました。

結果として、PEラインの常識を覆す可能性を秘めたコシ・ハリにより、これまでのPEラインとは一線を画すフィッシングエクスペリエンスを実現しています。

そしてPEラインの固定概念を大きく変えるHARDBULL8+がついに完成しました。

ベイトリールのスプールからの浮きを、一般的なPEラインと比較しました。

ガイド絡みのしにくさもハードブルの大きな強みです。

ライントラブルを減少させたい

現在のフィッシングシーンには欠かせないPEライン。近代、釣具の中でも最も大きな変化をもたらしたのがPEラインの進化・普及と言っても過言ではありません。ナイロンやフロロカーボンとは一線を画す直線強度、だからこそ糸の号数を下げられ、飛距離・感度の向上など多くの釣り人がPEラインによる恩恵を受けているといえます。しかし、PEラインは擦れに弱い点もあり、より強く「耐摩耗性」の高いPEラインを求める声も少なくありませんでした。また、PEライン使用時のライントラブル解消に時間を要する点も課題でした。摩耗に負けず、トラブルが発生しづらいPEにはどのような要素が必要か。そのひとつの答えがハリ・コシにあると結論付けました。実際、実釣テストではスピニングリールはもちろん、近年増加しているベイトリール×PEラインという組み合わせでも、バックラッシュの抑制効果を実感しています。

強力素材「Spectra®」採用

HARDBULL8+には、Honeywell社のポリエチレン原糸「Spectra®」を採用しています。この「Spectra®」は鉄と比較し約15倍の強度があり、防弾チョッキや船舶用のロープなど、絶対的確かな強度が求められるシーンで採用されています。この素材を無数の繊維から構成されるPEラインへ採用することで、繊維1本1本を強くしています。

Spectra繊維がMX2工法に適している理由、それは原糸の太さにあります。上図のように同じ太さのPEラインにおいて、そのラインを構成するファイバーの太さがこれまでのPEラインよりも太いのです。原糸の太さが耐摩耗性に大きく貢献するのです。

MX2工法はPEラインの線維表面に高結晶化層を形成させます。最外層にはシリコーンコーティングを施すことで水を弾きやすく、糸さばき性が向上します。

水中での耐久性を一般的なPEラインと比較しました。切れるまで摩擦させる実験では、約3倍の数値が出ています。

釣り糸が摩耗するのは水中であるため、空気中だけでなく水中での耐摩耗性にも強くこだわりを持って開発を進めました。そこでの１つの解が上述した素材「Spectra」、工法「MX2」の組み合わせです。実釣時の耐摩耗性を是非実感してください。

・ストラクチャー周りでアキュラシー高いキャストと強引なファイトをしたいアングラー

・ライントラブルを可能な限り抑制したいアングラー

・ボトムをシビアに攻めるアングラー

・ベイトで使うPEに正解を見いだせていないアングラー

・PE使用のビッグベイター

・ピーコックバス、トーマン(チャドー)、バラマンディ、パプアンバス等の怪魚を追い求める海外遠征アングラー

優れた直線強力と感度はＰＥラインの特権ともいえますが、快適な釣りを目指すと「トラブルの少なさ」も無視することはできません。従来のＰＥラインは糸質が軟らかく、横風が強いと大きくフケてしまってエギをスムーズに落とせなかったり、キャストの際にガイドに絡まるといったトラブルに悩まされてきました。適度な張りとコシがあるハードブル8+は、僕のこんな悩みを一気に解消してくれましたね。硬めのラインはバックラッシュやガイド絡みしにくく、多少風に吹かれてもまっすぐエギを落とすことができます。ただ過度に糸質が硬いとエギの動きを干渉してしまい、トゥイッチングで細かくエギをダートさせる、あるいは大きくラインスラックを取って跳ね上げるといった操作がしにくくなります。開発にあたっては、どの程度の張りがベストかを意識しました。完成したハードブル8+の張りは絶妙。ロッド操作に対してレスポンスよくエギが反応してくれるし、エギをフォールさせる際も沈むエギに追従して吸い込まれるようにラインが入っていきます。耐摩耗性もアップしているので、細い号数でも自信を持って使えます。これまでビギナーの方には根ズレ対策として0.8号を勧めることも多かったのですが、ハードブル8+なら初めから0.6号にチャレンジするのもいいですね。

大きなルアーの出番が増えつつある昨今、オフショアの釣りでもベイトタックルを使うシチュエーションが増えました。オフショアの釣りに風は付き物。ベイトタックルにとって風は大敵で、特に向かい風では不要に糸フケが出てガイドにラインが絡みやすくなるし、飛距離が出ないうえバックラッシュなどのトラブルが頻発します。これまで強風下ではスピニングタックルに頼ったりしたものですが、ハードブル8+が世に出たことで、風を気にすることなくベイトタックルを使えるようになりました。張りのあるハードブル8+はスプールからの放出がスムーズで、軌道が風に乱されることなく綺麗にルアーを飛ばすことができます。風に向かってフルキャストできるのは大きなアドバンテージです。ラインによってここまでキャスト性が向上するのか。これは空気抵抗の大きいビッグルアーほど顕著に違いがわかりますね。もうひとつ、ラインそのものの耐久性が高く、毛羽立ちが極めて少ないんです。ラインは特に酷使されるアイテムですが、これなら長期間安心して使えます。硬すぎず、軟らかすぎずの絶妙な糸質は、ベイトリールはもちろん、スピニングリールとの相性もバッチリです。

僕がPEラインに感じる最大のメリットは「強度」です。同じ強さでもラインを細くできることで、できればオールタックルをPEラインで揃えたかったのですが、今まではそれが叶わなかった。なぜか。それは従来のPEラインは軟らかいものが大半で、特にベイトタックルではガイドにラインが絡まるなどのトラブルが多く、バックラッシュなどしようものならほどくのに難儀したからです。こんな僕にとって、ハードブル8+は待望のPEラインといえます。硬い糸質のハードブル8+はさばきやすく、バックラッシュも起こしにくい。もしバックラッシュしてもフワッと弛む程度なので容易に直せます。これまでは主にマキモノで使ってきたPEラインですが、ハードブル8+の登場によって、撃ちモノ系のラインを操作する釣りでも積極的にPEラインを使えるようになりました。ハードブル8+は耐摩耗性が非常に高いので、レイダウンやオダといったストラクチャー周りにもガンガン入れていけます。トラブルの多さからベイトタックルとPEラインの組み合わせを諦めた人も、ぜひハードブル8+を使っていただきたいですね。その進化ぶりに、きっと驚くはずです。