カーディフ ML バレット 93F ジェットブースト

カーディフ MLバレット 93F ジェットブースト 水中ルアー動画

“心にまで響いてくる魚”と対峙する　――佐藤文紀が長年サクラマスを追う理由とは

サクラマス用の本流ミノーである「MLバレット93F JETBOOST」に新色が追加。

監修したのは佐藤文紀、東北エリアで30年近くサクラマスを追い続けるプロアングラーだ。サクラマスに魅了された生粋の「鱒追い人」である彼の経験を、今年の新色に存分に活かした。河川でのサクラマス釣りは、食性ではなくサクラの闘争本能に訴えかけることが基本となる。サクラマス釣りの実績と実用性を兼ね備えた新色カラーラインナップを紹介する。

011 ドチャートOB

雨後、雪代など、サクラマスシーンでしばしばみられる、「濁り時」に効くカラー。濁りの中で存在感を発揮するチャートをベースに、ベリーのオレンジが生み出す明滅効果でサクラマスにアピールする。比較的強い濁りが入る状況下での「夜明けすぐ」、「夕マヅメ」では是非使って頂きたい必須カラーだ。また、アピールに振ったとも取れるドチャートだが、初夏にかけて河川が新緑に覆われる時期には、バックのライムグリーンが水面に反射した周囲の木々の緑に溶け込み、不思議とルアーが水に馴染む。季節によって違った顔を見せてくれる側面からも、ぜひキャストしてみてほしい。

012 NブルーレモンCH

ひたむきにキャストを繰り返すサクラマス釣りにおいて、なるべくカラーローテーションを気にせずに投げ続けられるようなカラーを目指した。日中の晴天時でも、比較的光量の少ない朝や夕方、陽が陰ったタイミングでもバーサタイルに使えるカラーだ。天候の変化が生み出す光量の違いや、水の濁り度合いの影響を受けにくく、幅広いシチュエーションの使いやすさは追加色の中でもダントツだ。ボディ側面は、ゴールドからシルバーのグラデーションを施した豪華なカラーリングに見えつつもバックのブルーと混ざり合い、ブルーグリーンの色彩も見え隠れするグラデーションカラー。さらにヘッドにはチャートを施し、視認性を向上させた。また、チャートパーマークも一つのアクセントとなり、ナチュラルとアピールが共存したバランスの良いカラーに仕上がった。実際に、非常に厳しかった2022年のサクラマスシーズンにおける佐藤氏渾身のヒットもこのカラーによるものだ。

013 NチャートKベリー

NブルーレモンCHに近いカラーリングだが、こちらにはベリーにケイムラ塗装を施してあるのが大きく違う。サクラマスは紫外線を認識できるという話がある。ケイムラそれ自身が釣れる、釣れないというのはまた別の話だが、紫外線を色として認識するサクラマスが、ルアーという物体に振り向く一つのきっかけになる可能性はある。ひたむきにルアーを投じるサクラマス釣りにおいて、朝夕マヅメや曇りなどのローライトな環境で効果を発揮してほしいという思いが詰まっている。ベースはフラッシング効果の高いシルバーと、視認性の高いチャートを合わせたオーソドックスな組み合わせ。そこにケイムラ塗装でアクセントを効かせたカラーだ。

014 SブルーCH

クリア～ステインウォーターの水域で使いやすく、「ベリーにアピールポイントをもったナチュラル系カラー」だ。東北では定番となるブルーバック系だが、視認性を向上するヘッドのチャートや新しいスケールブーストの輝度、そしてチャートベリーの組み合わせで、シマノらしいアレンジを加えた。佐藤氏の経験上、海から遡上して間もないフレッシュランの個体には、ブルーバック系カラーが効くことが多いという。一見ナチュラルに見られがちなブルーバックだが、思いのほか水質を問わず使える出番の多さもポイントで、美しくも実践的なカラーといえる。

015 SピンクOB

サクラマス釣りに慣れ親しんだ方にとっては定番とも言えるピンクを基調としたカラーリング。長く選ばれ続けるには相応の理由があり、高い信頼を置くアングラーも多いはずだ。そんなピンクバックとシマノのスケールブーストを組み合わせたカラーリング。古くからの良さを残しつつ、いまシマノがピンクバックを出すなら、という一つの答えを投じた。バックのピンクとオレンジベリーは非常に存在感があるが、それを高輝度のホログラムが中和するように設定した。雪代シーズンだけでなく、クリアウォーターでも投げてほしいピンクバックだ。

016 STメルトホワイトK

雪代や雨水による白濁りのある川で効果を発揮するパールホワイトベースのカラーだ。ベリーにケイムラ塗装を施しサクラマスに効果的にアピールできるよう意識した。このホワイトを基調としたカラーは、北陸エリアではローカルカラーとして実績の高いカラーでもあり、条件にマッチすれば他のカラーには出せないポテンシャルを秘めている。反面でこのカラーが高い効果を発揮するシチュエーションは限定的でもあるが、ストイックなサクラマス釣りにおいて、この状況ではこれしかない。そのように自信を持って投げられることを目指したカラーになっている。また、このカラーには敢えて「エラのアルミシール」は排除している。フラッシングではなく、濁り時に効く膨張色、存在感への全振りを徹底した。一方で、フィニッシュに施した透けるスケールブーストが光を浴びて輝く仕様にしている。濁った水に入り込む光をルアー全体が「ぼんやり」と何とも言えない反射を伴って泳いでいく様子は、まさに「メルトホワイト＝（水に）溶けていくような白」である。