ツインパワー

釣りは自分が立てた仮説の答え合わせ。フィールドに何度も足を運んでしまうのは、釣れたとしても、本当にその仮説が合っていたか、それが答えだったか分からないから。なぜならば相手は自然。ゆえに釣りの答えはない。これまでも、これからも。

 シマノは37年間にわたって質実剛健のコンセプトのもと、ツインパワーを磨き上げてきた。

常にスピニングリールのテクノロジーを進化させながら、ツインパワーは真の質実剛健の答えを追求し続けるだろう。“剛”の追求に終わりはない。これまでも、これからも。

24 TWIN POWER PV ‐ PURE POWER

初代ツインパワーは当時、シマノの最上級グレードのスピニングリールとして第一歩を踏み出しました。その根底にあったのは質実剛健。職人気質である開発陣の幾重にもよる実釣テストの産物でした。初代以降のツインパワーは最先端の素材や機構をいち早く取り入れ、コンセプトに即したカラーリングやデザインによって、安心感と高揚感が共存する新鮮な佇まいでアングラーを魅了しました。現在のツインパワーはシマノスピニングリールの礎を築いてきたコアソリッドシリーズの中核モデルであり、質実剛健という想いはぶれることなく、現在も継承されています。

ツインパワーが質実剛健なのに官能的である理由は、匠が自分の手に馴染むように育て上げた道具のようでもあるからではないでしょうか。NEWツインパワーの顔ともいえるスプールデザインは華美になることなく、武骨さがありながら、寡黙に繊細な線を繋いで完成しました。それはまるでアングラーの感性に語りかけてくるよう。所有することだけでなく、使い込むことによってもアングラーの心を満たしてくれるモデルともいえます。数あるスピニングリールの中でも、一途に歴代のツインパワーを使い続けているコアなアングラーが多いのも、そういった理由があるからかもしれません。

金属ローター×HAGANEボディに加え、ステラから譲り受けたインフィニティクロス、インフィニティドライブを追加し、パワーユニットのさらなる強化が図られたツインパワー。ターゲットの逸走を阻止し、根から引き剥がす。勝負の行方を左右するその一瞬に、ハンドルに込めたアングラー渾身のひと巻きを伝達する剛性感は、本物を牽引するツインパワーのコンセプトを継承していると確信させます。

NEWツインパワーは20ツインパワー同様に、ローターに金属を採用しています。高剛性であり、かつ適度な慣性を備える金属製ローターは、しっとりした滑らかな回転フィーリングを実現します。さらに、たわみや歪みを抑制し、フッキング・ドラグ性能の向上にも貢献します。

金属製ローターを搭載しているのはコアソリッドシリーズのステラとこのツインパワーのみ。金属製ローターがツインパワーの不変のコンセプト、質実剛健へ寄与しています。

ツインパワーに採用しているCI4+は、樹脂に高強度なカーボン繊維が練り込まれ強化された構造になっています。このカーボン繊維の配合により、強化樹脂との比較において高い剛性を実現しています。

これは強化樹脂とCI4＋、アルミニウムの試験片に一定の負荷をかけた時の変形量比較実験です。

CI4+はカーボン繊維が練り込まれているため強化樹脂よりも剛性が高く、変形量が少ないことが分かります。

ツインパワーはそのCI4＋とアルミニウムをボディで組み合わせることによって高剛性を実現しています。CI4＋のみのボディ設計であっても通常使用での剛性は十分実現しています。

しかし、ツインパワーが長年追求してきたのは実釣における過剰なまでの剛性。ボディで特に負荷のかかるフットにアルミニウムを採用することで、他のリールにはない過剰なまでの剛性を備えています。

ギア歯面にかかる負荷を低減させ、耐久性を約２倍（※）と飛躍的にアップさせたのがインフィニティクロスです。ギアの接触面積が増えることでパワーファイトやジャーク時のギアへのダメージを軽減し、ベストコンディションの維持に繋げます。リーリングを中心としたルーティンの釣りがより高次元で可能になり、都度思考する必要が少なく、研ぎ澄まされた五感が時としてアングラーの本能を覚醒させます。水流・潮流・湖流・魚の挙動など微細な変化を感じることは、アングラーにとって大きなアドバンテージになるでしょう。

※当社基準ギア耐久テストによる

ロッドが大きく弧を描き、ターゲットの逸走を食い止めハンドルノブに手をかけたとき。手の力がリールに伝わらない。勝負ができない…。そんな瞬間を回避するのが、高負荷時でもパワフルな巻き上げを可能にするインフィニティドライブです。パワフルなリールだからこそ、いつも使っているものより番手を下げることができ、その結果アングラーが主導権を握った力強い巻き上げによって大物をより楽に獲ることができます。

たとえばルアーをキャストしたとき。投げたルアーはラインを引っ張って着水します。しかし、インフィニティループはアングラーがラインの存在を忘れてしまうようなキャストフィールを実現しました。その感覚は抜けるようであり、矢を放つようでもあります。ライン放出時の大幅抵抗減はロングキャストを可能にするだけでなく、着水後のフォールスピードの安定にも貢献します。

ラインのたるみを抑えスプール下部へのラインの脱落を抑え、またラインがヨレたままスプールに巻き付けられる現象を軽減するアンチツイストフィンです。これまでに多くのアングラーが経験してきた、どのスピニングリールにも起こり得る、スプールやスプール内へのラインの巻き込みや不自然な巻き取りを防ぎ、よりストレスのない釣りを可能にします。

デュラクロスは新材料によるドラグワッシャーを採用することで、耐摩耗性を10倍以上（※）もアップしました。ドラグの滑らかさが重視されるライトラインを使ったバスやトラウトフィッシング、ライトソルトなどから、予期せぬ大物と遭遇する可能性があるインショアやショアなどの幅広い釣りに対応します。

※当社比較テストによる