僕の中でのスピンパワーの位置づけは、サーフから堤防、護岸まで、シロギス釣りにおいてオールラウンドに使える竿、というものです。軽い力で投げたときはシャープな振り調子でコントロールよくキャストできる一方、7〜8割以上の力で振り込むとギュッと胴まで曲がりが入り、気持ちよくオモリが飛んでいきます。
基本的には先調子と謳ってはいますが、胴がピンピンに張っているのではなく、釣り人の振り方、インプットするパワーによって、リニアに曲がってくれるという印象です。近投ではシャープに、遠投ではパワフルにキャストできるので、釣り場やシロギスのコンディションによって、さまざまな攻め方ができる竿だと感じています。
今回のスピンパワーは、スパイラルXコアの採用により、しっかりとネジレやブレを抑えつつ、ブランクスをより細身にすることが可能となりました。細身のブランクス採用によりキャスト時の空気抵抗が減り、スイングスピードが上がって仕掛けをより遠くへキャストできるようになったというわけです。
もうひとつの新機構として「Xガイド キャストチタン」が搭載されていることが挙げられます。このガイドは細身の4本足構造になっていて、横方向への負荷に対しては強く、縦方向の負荷には柔軟に追従するという特性があります。
横方向の負荷とはブランクスがネジれる力であり、縦方向の負荷とは竿が曲がる方向の力です。つまりXガイド キャストチタンはブランクスのネジレ剛性の向上に貢献し、竿を曲げた際の突っ張り感を抑え、ブランクス本来のパワーを引き出すガイドといえます。
また、ガイドの高さをやや低くし、ラインが通る位置がブランクスに近くなりました。キャスト時に強い負荷が掛かるガイドは、低くなるほどネジレ方向の負荷を抑えられます。Xガイド キャストチタンには大きくフレームに被さるフランジ形状のセラミックリングを採用しており、ガイド高が低くてもラインが綺麗に収束してくれます。
硬いようでも振り込むほどに曲がる。振るほどに曲がるけれどもシャキッとしている。2つの技術によって生まれ変わったスピンパワーの調子は、まさに新感覚といえるものです。この新しい振り味を多くの人に体感していただきたいですね。